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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁

青空文庫

「拙者は、米沢藩の児島辰三郎という者でござる」

引合わせられて、その若い武家が、白雲の前に名乗りました。

年は若いし、小柄ではあるし、色は白いし、額は広いのに、髪は惣髪に結んであるので、一見、女にも見まほしいといったような優男には見えるが、そこに、なんとなく稜々たる気骨の犯し難きものを、白雲が見て取りました。

打見るところ、何か、出張の目的あって、自分よりも以前にこの家に逗留しつつ、その所用を果しつつあるのだな。

「ごらん下さいませ、あなた様の御不在中、田山先生に、あの二幅を描いていただきました」

「ははあ、鍾馗か……風景は、あれは勿来の関だな」

「はい」

「うむ、見事見事」

その武士は、見事見事だけで一切を片附けてしまったのを、白雲は笑止に思うくらいです――やがて、酒杯をすすめて後、主人が改めて、

「児島先生、この勿来の関の方に、先生の御賛をいただきたいものでございます、いかがでございましょう、田山先生」

と網旦那の主人が言いました。

「結構ですな」

と白雲が如才なく同意を示すと、主人は手を打って人を呼び、筆墨の用意にとりかからせたが、それと聞いて、いやとも言わず、黙諾の形を示していた児島なにがしといわれた武士は、