輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新編忠臣蔵(しんぺんちゅうしんぐら)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 337,181 字 · 676 頁
畜生保護令は、江戸だけではないので、全国どこの城下にも、お犬様の横行はひどかった。赤穂でも、人間は、お犬様以下に置かれていた。
『――紙屋。もうええ、もうええと云うに』
橋本町の曲り角である。誰なのか、愉快そうに、こう大きな声で言った者があると思うと、蹌踉として、草履ばきの僧形の男が、あぶない足つきで、一人の町人に、背中を支えられながら歩いてきた。
見ると、新浜の良雪和尚なのである。いつも飄々と、人生を一人で楽んでいるかのように見える、禅門の風流人であった。微醺をおびて歩いていると、よく町の子ども等が、彼のうしろから尾いて来て、
正福寺の和尚さんは
酒がつようて、碁がよわい
塩なめて、酒のんで、碁にゃ負ける
と、からかったりするのであるが、城下の大町人でも、藩士のうちでも、彼との交りを好む者が多かった。良雪のどこかに、そうした風格があって、彼と遊んでいると屈託も忘れ、有の儘に人生を楽しむことを教えられる気がするのであった。
ゆうべも、旅籠の紙屋四郎右衛門の家へ行って、その碁で更けて、酒で明けてしまったのである。ひきとめたのは主人なので、その責任感で途中まで送ってきたものとみえる。