輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しんぺんちゅうしんぐら

新編忠臣蔵

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新編忠臣蔵(しんぺんちゅうしんぐら)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 337,181 字 · 676 頁

青空文庫

武士の塩

それは言葉に表現できないものだった。殊に、武士と武士との情誼というものでは、猶さらにである。

『なんの……』

軽くは云っても、伝八郎も又、自分の誠意が、一年余を経た今日も、その人にはっきり刻まれていたかと思うと欣ばしかった。

『お礼などと仰せられては、伝八郎、恥しゅう存ずる。それよりは、御主家の変あって後、各※(二の字点、1-2-22)のおうわさを聞くにつけ、よそながら傷ましゅう存ぜられて居った。然し、お健かの態、何よりでござる』

『あなた様にも――』

と、源五右衛門は畳へついた儘でいる手を忘れて――

『こうして、変らぬお姿を見ておりますると、あの折の黄昏の庭明りや、散る花や、眼に泛び出て……』

『伝八郎も、御同様に思う。はやいものでござるの――もうやがて年を越えれば二年』

『お計らいに依って、主人の遺書辞世も、国表に達し得まして、旧藩士一統、内蔵助以下、皆、あなた様を徳として、何のようにか御仁慈を謝して居りました。……然しその後は、お聞き及びの通りに離散、他の者の沙汰無しは、平に御用捨くだされませ』

『して……其許は今、何処に』

『申し上ぐるも背汗の至りに存じますが、本所林町に店借して、侘しく浪人暮しをいたしておりまするが、偖、仕官の口も見あたらず、ただ無為な日を過して居りまするばかりで』