輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しんぺんちゅうしんぐら

新編忠臣蔵

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新編忠臣蔵(しんぺんちゅうしんぐら)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 337,181 字 · 676 頁

青空文庫

――不都合な!』

九郎兵衛だけではない、それを見て広間へもどって来た藩士の幾人かは、苦汁をのんだように不快な眉をしかめて、

『多年、領主の御庇護によって、安穏に生業を立てて参ったのに、御恩も忘れ、殿の凶事に際して、すぐ損徳を考え、藩札の取付けに押し襲けるなどとは憎い行為だ』

『誰か行って取り抑えねばなるまい。あの様子では、町年寄や会所者では、制止がつかん』

『町人とは申せ、許しがたい。きっと、首謀者があろう。こういう時には、そいつらを五六名引っ縛ってしまえば自ら鎮まるものだ』

と藩の立場と、自分たちの興奮から、こう云い放つものもある。

百七十里彼方の江戸表で、突忽として、地殻の一部面が崩れたと思うと、もうその波及は、江戸表以上の狂相をあらわして、赤穂の大地へ湧き上がってきたのであった。

江戸の驚きは、制度の震動であったが、ここの実相は、生活の戦慄だった。領主が切腹すれば、城地は官収され、藩士は離散する。そして浅野家の発行している藩札は値を失って、反古紙になるかもしれない。

まずい物を食い、汗して働き、利のためには百遍でも頭をさげ、爪に灯をともすようにして蓄めた金だの、親や女房や子を養うための唯一の小資本だのが、ただの紙になったら、町人は、発狂するかもしれない。