輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しんぺんちゅうしんぐら

新編忠臣蔵

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新編忠臣蔵(しんぺんちゅうしんぐら)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 337,181 字 · 676 頁

青空文庫

と、正直に述懐している。

主税は、穴へ入ってゆくとすぐ、

『しめた』

と、中でさけんだ。

勿論、十郎左も、岡右衛門も、すぐ後からつづいていた。足に触れたのは、冷たい板廊下だったが、その向うに、何処からも絶対に察知できない三つの部屋があった。

その一つの部屋に、絢爛な夜具が敷いてあり、枕頭の燭台も、あたりのものの気はいも、何となく貴人の空気と、艶めいた後閨の匂いをただよわせている。いう迄もなく、こここそ、上野介の寝所でなくてはならない。

――だが、消えている蘭燈のあたりに、蒔絵の煙草盆が覆っていて、隅に、女性の脱ぎすてた衣が冷たく乱れているほか、三つの部屋にも、その蒲団のうちにも、人はいなかった。

衣桁の蔭

主税は、夜具へ手を入れてみて、

『まだ、あたたかいぞ』

と、呟いた。

『――開いている! 裏が』

と、岡右衛門が同時に云った。

『さてはまだ、先に、抜け道――が』

と、二人はすぐ裏へ急ぐ。

磯貝十郎左衛門は、念のため、後にのこって、そこの天井や、ふくろ戸棚などを突き廻っていた。寝所の次の部屋には、片隅に、蒔絵の衣桁がみえ、それに、青金摺の裲襠と、褪紅色の小袖が掛けてあった。