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がまのち

日本怪談大全 第一巻 女怪の館

田中 貢太郎

線上閱讀田中 貢太郎《日本怪談大全 第一巻 女怪の館(がまのち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 192,678 字 · 394 頁

青空文庫

円髷の婢はにっと笑った。

「まだ好い女と云うてくれなはって」

「そうだす、な姐さん云いなはりやったわ、おごりなさい」

秀夫もしかたなしに笑ってその女の潤みのある眼をちらと見て、どうもおかしい、すこし間を置いて見るとあんなにちがって見えるものかと思ったが、それにしても輪廓の好いみずみずした顔に見えたのは不思議だと思った。

秀夫は欺かれたような気がして興味もなくなったので、料理を喫ってしまって帰って来たが、どうしても不思議でたまらなかった。で、翌晩、飯の済んだ後で、また琵琶を弾いていた※(「女+朱」、第3水準1-15-80)な女のことを思いだして、新京橋の上へ往った。

牡蠣船は艫の右の障子が開いて※(「女+朱」、第3水準1-15-80)な婢が何時かの処に坐って琵琶を弾いていた。秀夫は欄干に添うて立ってじっとそのほうへ眼をやった。と、※(「女+朱」、第3水準1-15-80)な女はこっちを見て紅い唇を見せてにっと笑った。彼はそのまま牡蠣船へ往った。

円髷の婢と小女が彼の来るのを待っていたように出て来た。秀夫はその円髷の後から跟いて往くと、艫のむこうからは左になった室へとおされた。