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しゅんでい
春泥・三の酉
久保田 万太郎
線上閱讀久保田 万太郎《春泥・三の酉(しゅんでい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 86,075 字 · 173 頁
」
「そうよ。」
「こんなとこへ来ちゃァ。――日暮里の停車場はずっとあとだ、この……」
「いやだぜ、おい。――だから、あたしの……」
田代のそういいかけるのを三浦はかぶせて、
「ぐず/\いうこたァねえ。――日暮里を来すぎたら、こゝまで来たんだ、もう一ト呼吸伸して田端へ出りゃァいゝ。」
「田端?」
「驚くこたァねえ、こゝを抜けて崖ッぷちへ出りゃァ一ト足だ。」
日を浴びた鳥居も、また、玉垣も、枯々とした木々の、入交った枝の影をさびしくその膚にうつし出していた。――斜に白くつめたくのびた石だゝみのうえをそのまゝ広い境内へ入ると、欅だの、銀杏だの、枯れた梢のたか/″\と空にそゝる間でみたらしの手拭がそよりとも動かず、神楽堂もむなしく戸を下ろしていれば、見晴しの、むかしながらの崖のうえに並んだ茶店もたゞその心細い骸をさらしているばかりだった。――前後左右すべてヒッソリと、三人の外にはどこにもそこに人のかげがなかった。
「むかし、俺たちの、始終こゝへ小遣いをかせぎに来たことをお前なんぞ知らねえだろう?」
そういいながら三浦はあたりをみ廻した。
「知るもんか、そんなこと。」
「活動をうつしに来たんだ、活動を。