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しゅんでい

春泥・三の酉

久保田 万太郎

線上閱讀久保田 万太郎《春泥・三の酉(しゅんでい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 86,075 字 · 173 頁

青空文庫

――まァ、いゝよ、それァ……

――よかァないわよ。

――じゃァ、それは、いずれゆッくり研究することにして、それより、いまの、吉原生れのはなしのさきを、もッとつゞけよう。……大丈夫だ、これだけ揉めば、もう、かなしくなりゃァしないから……

――だめよ、急にそういったって。……こう揉まれてしまっちゃァ、こんがらかった糸の、どこが……

――わかった、分った。じゃァ、ぼくが、アナウンサーの役どこになって、こッちからいろ/\聞く。君がそれにこたえる……それならいゝだろう? ……

――うまいこと聞いてよ……

――うまいこと、参りましたら、御喝采。……ということを知ってるか?

――李彩じゃァありませんか。

――感心! ……といいたいが、あの支那手品の高座を知っていちゃァ、年が知れるナ?

――知れたっていゝわよ。……どうせ、もう、来年は四十六。……いよ/\五十の坂のかげが、目のまえにチラ/\しかけて来たんだから……

――何んだ、そんなになるのか、もう? ……

――何んだ、まだそんなものかと被仰ったほうがいゝわ。

――止そうよ、もう、漫才は。……色気がなさすぎる……