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しほんたいへいき
私本太平記(五)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《私本太平記(五)(しほんたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 252,330 字 · 505 頁
「――頼朝創業のときの例にならって、このさい、諸国の武士領へ、所領二十分ノ一の税を課すがよいと申すのか。さすれば、物資はどっと朝廷の廩倉院に集積されて、楮幣裏付けの信用にもなり、かたがた、行き悩みの大内裏御造営の着工も、いやその国費の出どころにも、目鼻がつくというわけだの」
「じつは」
と、道誉は急に話を折った。せっかく忠顕が熱意をみせだしたのに、話をかえて。
「今日、はからずも文観上人に道で会いましたところ、参内の帰途、六角の法印邸へ立ちよるが、お辺も来ぬかとのお誘いに、かたい約束はせず別れましたが、どうでしょう、ご一しょにまいって、あの僧正にもこの建議に一ト肌ぬいでくれるよう、このおはなしをすすめてみては」
「いやつまらん」
一言のもとに、忠顕はその人物までをけなし去った。
「あれは一種の妖僧だ、あんな邪僧に御政治のくちばしを容れさせてはならん。なるほど、後宮の女人にはうけがよいし、みかどや准后のお覚えもよろしいが、その説くところは、男女交合の極致を宗教の中に置いた枳尼の密教とやらであるそうな」
「ほ。それは初めてうかがいますが?」
「真言のうちでも封教となっておる秘密な経だ。