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めいしんとしゅうきょう

迷信と宗教

井上 円了

線上閱讀井上 円了《迷信と宗教(めいしんとしゅうきょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 151,147 字 · 298 頁

青空文庫

よって余は、迷信の利害を四段に分けて逐次論述してみたいと思う。

第一は害なくして利あるもの

第二は害なくして利なきもの

第三は利あって害あるもの

第四は利なくして害あるもの

迷信の種類を利害上、この四種に分かつことができる。しかし、その利害はもとより比較的にして、かつ、時と場合とによって異なることを断りおかなければならぬ。その上に知識の程度にもよる。知識なきものに利あっても、知識あるものには無効のことがある。

今、第一項の害なくして利あるものとは、さきに縁起の下に掲げたる、正月や婚礼に連帯せる迷信のごときは、なんらの害もない。しかして、古風を保存し儀式を修飾する点において効がある。また、たといその起こりは迷信なりとも、すでに変形して別格の意味を具するようになっておれば、迷信ともいい難い。とにかく、儀式には多少の迷信が加わっていても、古風を維持する点において、自然と崇高尊厳の感想を起こさしむるに有効の場合が多い。

民間にては、神社仏閣へ百度参りすることがある。例えば、慢性胃病のものが神仏に百度参りすれば、その御力にて全癒すと信ずるは迷信なるべきも、毎日一心になって百度参りを継続すれば、自然に全治するに至るわけである。