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めいしんとしゅうきょう
迷信と宗教
井上 円了
線上閱讀井上 円了《迷信と宗教(めいしんとしゅうきょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 151,147 字 · 298 頁
おもしろい説を伝えたものではないか。
河州富田林の近在に灯明松と名づくる妖怪松がある。毎年正月元日には、その松の枝上に灯明が自然に点ぜらるるとの口碑なるも、古来高徳の人にあらざれば、その光を見ることができぬとの説を伝えてあるもおもしろい。
また、大和の吉野の桜木明神社に、林中の樹木の幹枝ともに、疱瘡を発せしがごとき小瘤が見えている。ゆえに、古来、この木に信願すれば、疱瘡を免るるといい伝えている。これにひとしき迷信が関東にもある。すなわち、相州三浦郡大津村に、信誠寺という真宗の寺院があるが、その境内に蓮如上人の杖を地にはさまれたのが生育して、銀杏の大木となったという古木がある。その枝の節々に、乳の形をなせるものが現れている。民間にては、この木を信念すれば、乳がよく出ると申して、乳の少なき婦人は、この木に参拝するとのことだ。
また、大和国大峰山の麓に洞川の弥勒堂がある。その境内に直径五寸ばかりの卵形の石があって、これをなでさすりたる上にて持てば軽く上がり、打ちたたきてのち上げんとすれば急に重くなって容易にあがらず、その石に神霊が宿りて、かくなすがごとくに信じられているとのことだ。