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さんごくし

三国志

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 161,356 字 · 323 頁

青空文庫

「いけません」

にべもなく、徐庶は、顔を横に振った。

「どうして、彼が、拙者の迎えぐらいで出て参るものですか。――君ご自身、彼の柴門をたたいて、親しくお召し遊ばさねばだめでしょう」

聞くとなお、玄徳は喜色をたたえて云った。

「ねがわくば、その人の名を聞こう。――徐庶、もっとつまびらかに語り給え」

「その人の生地は瑯陽都(山東省・泰山南方)と聞き及んでおります。漢の司隷校尉、諸葛豊が後胤で、父を諸葛珪といい、泰山の郡丞を勤めていたそうですが、早世されたので、叔父の諸葛玄にしたがって、兄弟らみなこの地方に移住し、後、一弟と共に、隆中に草廬をむすび、時に耕し、時に書をひらき、好んで梁父の詩をよく吟じます。家のあるところ、一つの岡をなしているので里人これを臥龍岡とよび、またその人をさして臥龍先生とも称しています。――すなわち、諸葛亮字は孔明。まず当代の大才といっては、拙者の知る限りにおいて、彼をおいては、ほかに人はありません」

「……ああ。いま思い出した」

玄徳は肚の底から長息を吐いて、さらにこう訊ねた。

「それで思い当ることがある。いつか司馬徽の山荘に一夜を送った時、司馬徽のいうには、いま伏龍鳳雛、二人のうちその一人を得れば、天下を定めるに足らんと。