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さんごくし

三国志

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 161,356 字 · 323 頁

青空文庫

「は、は、は」と、司馬徽は笑いだして――

「己れは他国へ去るくせに、無用な言葉を吐いて、他人に迷惑をのこして行かなくてもよさそうなものじゃ。やくたいもない男かな」

「迷惑とは?」

「孔明にとってじゃよ。また、わしらの道友にとっても、彼が仲間から抜けてはさびしい」

「お仲間の道友とは、いかなる方々ですか」

「博陵の崔州平、潁州の石広元、汝南の孟公威、徐庶そのほか、十指に足らん」

「おのおの知名の士ですが、かつて孔明の名だけは、聞いておりません」

「あれほど、名を出すのをきらう男はない。名を惜しむこと、貧者が珠を持ったようじゃ」

「道友がたのお仲間で、孔明の学識は、高いほうですか、中くらいですか」

「彼の学問は、高いも低いもない。ただ大略を得ておる。――すべてにわたって、彼はよく大略をつかみ、よく通ぜざるはない」と、云いながら、杖を立てて、「どれ……帰ろうか」と、つぶやいた。

二

玄徳はなお引きとめて、何かと話題を切らさなかった。

「この荊州襄陽を中心として、どうしてこの地方には、多くの名士や賢人が集まったものでしょうか」

司馬徽は、杖を上げて、起ちかけたが、つい彼の向ける話題につりこまれて、