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あかくら
中谷宇吉郎集 第一巻
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《中谷宇吉郎集 第一巻(あかくら)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 頁
能衣裳は随分沢山あったが、この時散逸したともいわれ、誰かが一手に受けて米国へ送ったともいわれている。残りの色々の物は一の蔵へ納められて、この御蔵は狭い道を隔てた敷地の一部に移された。そしてSの老人は離れの茶室をその側に移して、そこに住んで御蔵を護ることになった。中学になって、日曜に遊びに行った時、その御蔵に蟻の塔が出来たといって町の評判になっていた。見物にくる人も沢山あった。はいってみると二階の一隅に四尺位の蟻の塔が出来ていて、蟻の行列が暗い壁に沿って長く続いていた。その時には御蔵の中は箱一つ置いてなく、全くの空であった。
町では御殿をそのまま校舎にして、直ぐ第一回の生徒を募集した。その開校式のようなもののあった日に出かけて行ってみたら、いつもの勝手口の鴨居に、「男子入るべからず」と書いた半紙が下っていた。料理人のいた室には、小使がはいっていた。御前様の御居間とその隣りの室とを通して長い卓を並べて、その上に色々の理科の器械が陳列してあった。そして小さい感応コイルだの電磁石だのが人々を驚かせていた。沢山の室はそれぞれ色々にふり当てられていたが、大殿様の御居間と例の不開の間だけはやはりそのままに立て切ってあった。