輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
あかくら
中谷宇吉郎集 第一巻
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《中谷宇吉郎集 第一巻(あかくら)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 頁
綺麗に敷き詰められた畳の上には、椅子や机が沢山置いてあった。見物の町の人々は、御殿の中をくるくる廻って歩いてみたり、芝生の御庭へ下り立ってみたりしていた。
二十人ばかりの生徒の中に五、六人の寄宿生がいた。寄宿生は大広間に続いた奥の室に住んでいたが、掃除はあまりしていなかったようだった。そして料理場へ出かけてきて、声高に話し合いながら、自分で炊事をしていた。寄宿生達は、放課後は皆絹の着物を着て、広い帯を締めていたのも今から考えてみると随分変っていたようである。
私が小学時代を卒ってこの町を離れる年の春、御殿の御庭の一部には教室と雨天体操場とが建て増しになって、その建築の響きが周囲の静けさを破っていた。この女学校も先年県立になったそうであるから、今ではまさか大広間で講義もしていないだろうが、一度見たいものである。
大殿様も御前様も、Mの祖父祖母達も今では一人も残っておられない。Sの老人は最後まで空の御蔵を護っていたことだろうが、勿論今はいなくなっているだろう。御殿が女学校になった話を知っている人は段々少くなる。今このような閑文字を止めておくことも、全く無意味のことでもないだろう。