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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

線上閱讀林 不忘《丹下左膳(たんげさぜん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 241,861 字 · 480 頁

青空文庫

会わぬ、という。

しかるべき重役が出て、鄭重な応対のあるべきところを、てんで取次ぎもせぬという。

けんもほろろに、追いかえされた――という復命。意外とも、言語道断とも、いいようがない。

約束が違う。聞いた玄心斎は、一徹ものだけに、火のように怒って、こうしてしきりに、主君源三郎のすがたを求めているのだが、肝腎の伊賀のあばれン坊、どこにもいない。

広いといっても知れた本陣の奥、弟子たちも、手分けしてさがした。

と……玄心斎が、蔵の扉まえにつづくあんどん部屋の前を通りかかると、室内から、男とおんなの低い話し声がする。

水のような、なんの情熱もない若い男の声――源三郎だ!

玄心斎の顔に、苦笑がのぼった。

「また、かようなところへ、小女郎をつれこまれて――困ったものだ」

とあたまの中で呟きながら、玄心斎、柿いろ羽織の袂をひるがえして、サッ! 障子をあけた。

「殿ッ! さような者とおられる場合ではござらぬ。だいぶ話がちがいまするぞ」

夜なので、行燈はすっかり出はらって、がらんとした部屋……煽りをくらった手燭が一つ、ユラユラと揺れ立って、伊賀の若様の蒼白い顔を、照らし出す。