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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁

青空文庫

それまで、そちが、ここにおっては、大事の書状が無駄になる。わかりましたかえ、お前の心配に、無理は無いが、妾とても、十八九の娘ではない――さ、心配せずに、急いで立っておくれ」

「はい」

七瀬は、腹巻を引出そうと、手を入れた。俯向いていた又蔵が

「路銀は――ここに」

と、庄吉の置いて行った財布を出した。

「それは、人様の金子でないか」

「いいえ――あいつの申します通り、もしも、水当りででも、五日、七日寝ましたなら、先立つものは金、又、手前が、これを使います分にゃあ、申訳も立ちますし――あいつも、なかなか、おもしろい奴でございます。手前、これで参ります」

「何程入っていますかえ」

又蔵は、中を覗いてから

「おやっ」

と、いって、掌へ開けた。小判と、銀子とが混っていた。

「ございますよ、八両余り」

「八両?――少し、多いではないか」

「ねえ」

「あれは巾着切であろうがな」

「そう申しますが」

「もしか、不浄の金ではないかの」

又蔵は、立上った。

「もしもの時にゃあ、奥様、又蔵が、背負います」

「いいえ。これをもって――」

と、七瀬が金子を差出した時

「では、御無事に――すぐ又、大阪へお迎えに参ります。