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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁
「暫時。今一服」
と、いって、雁首へつめ込んだ。四人の侍は、黙って見ているの外になかった。益満は、燧石を腰の袋から取出して
「ゆっくり眺めると、いい景色でござるが」
火をつけて、一口吸って、一人の浪人の顔へ、ぷーっと、煙を吹っかけた。
「何を致す」
「斬る」
三人の浪人が、この益満の言葉に、一足退いて、刀へ手をかけた瞬間、益満の煙管は、一人の鼻へ当っていたし、一人はよろめいて、顔を押えて、よろめきつつ、走り出した。押えている手から、血が土の上へ洩れていた。
一人が、躓きつつ、後方へ退って、抜いた刀を両手で持ち直す隙もなく、片手で益満の返した刀を止めようとしたが、もう、遅かった。膝頭を十分に斬られて、刀を、草の上へ投げ出して、前へ転がってしまった。
「手向い致すか」
侍が、絶叫した。
「小手をかざして、御陣原見れば、か。行くぞ、行くぞ」
益満は、同屋敷の侍を振向きもせず、残りの浪人者に、刀を向けた。浪人者は、煙管に打たれて、鼻血を出しながら、じりじり退りかけた。
益満は、じりじり浪人を追いつめた。浪人は、蒼白になっていた。益満は、片手で、刀を真一文字に突き出して、道の真中まで出ると、自分の投げつけた煙管を左手に拾い上げた。