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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁
「何う諫めましても聞き入れませず、妾は離別、又、これの下に、もう一人妹がござりますが、姉妹同士でも、意見のちがいがござりましょうか、二人だけがこうして離れて参りましたような訳、国許へまでの路銀が足りませぬゆえ、申し難うござりまするが、これを暫く、女中代りになりと、此処へお留めおきを願い、その間に、妾一人国許へ戻りまして、すぐ迎えに参じましょうと、御無理な、虫のよい御願いでござりますが、元家中の者のよしみをもちまして、このこと御願い致しとう存じまする」
「徒党を組んでおるのは、幾人程かの」
「さ、少しも、夫は、妾に洩らしませぬゆえ」
「成る程――そして、此後、何んとするな、お前達」
「国へ戻りまして」
「居候か」
「親族もおりますことなり」
「裁許掛見習では、親族も、大したことはあるまい。何うじゃ、嫁入しては――一片づきに片付くではないか。ここへ置くのは、易いことじゃが、仙波の娘とあっては、万一の時に――と、申すのは色仕掛の間者など、よく芝居にもある手でのう。若侍だのは――」
七瀬と、綱手とは、色仕掛の間者という言葉に内心の騒ぎを、顔へ出すまいと、俯向いて、必死に押えていた。