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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁

青空文庫

「叱っ」

「小父さま、お坐りなされませぬか」

「板の上は、腰が冷えるで――」

南玉が、庭へ見惚れている時

「岡田様、御案内仕ります」

と、若い侍女が出て来て、声をかけた。小藤次が、頷いた。侍女が、広書院の廊下の方へ行くので、深雪は

(晴れがましい)

と、気怯れしたが、侍女は、その手前の、右手の小さい部屋へ入って、襖を開けて

「こちらにて、お控え下さいませ」

と、お叩頭した。襖を閉めると、真暗になりそうな、六畳程の部屋であった。

「お控え下さいやし、ってのは、遊人の仁義だが、御屋敷でも用いるかな。恐ろしく、陰気な部屋で、お由羅屋敷開かずの部屋って、昔、ここで、首吊が――」

「南玉っ」

「てな、話がありそうな」

「喋ってはいけねえ。困った爺だな。すぐ、次が、お部屋だよ」

小藤次が顔をしかめた時、衣擦れの音が近づいて、ちがった方の襖が開いた。一部屋隔てて、女の七八人坐っているのが見えた。

「にょご、にょご、にょごの、女護ヶ島」

襖を開けた侍女は、開けると一緒に、南玉が、妙なことを云ったので、俯向いて、肩で笑った。そして、赤い顔をして、小さく

「こちらまで――」

小藤次が、立って、お由羅の居間の次の間へ入って、襖際へ坐った。