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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁

青空文庫

南無大日如来、お力をもって、金翅難羅竜を召し、火天焔魔王、七母、八執曜、各々力を合せて御幼君のために、息災、延命の象を顕現なさしめ給え」

こういってから、もう一度、塗香を塗り、香油をそそぐと、炉の中の火は、焔々として燃え上り、紫色の煙が、天井を這い出した。

門人達は、低く、経文を誦して、師の呪法を援け、玄白斎は、右手に、杓を、左手に、金剛杵を執って、瞑目しつつ、無我無心――自ら、日輪中に、結跏趺坐して、円光を放ち、十方の諸仏、悉く白色となって、身中に入る、という境地で入りかけた。

焔は、青色を放って燃え上りつつ、少し左に、右に揺れながら、時として、真直ぐに立ち、香を放ちつつ、いろいろに聞える音を立てた。

暫く、瞑目していた玄白斎は、眼を開くと共に、大音に

「焔の相は?」

と、叫んだ。火焔は、大きく象の耳のように、ひらひらと燃え上り、消えては、同じ形に燃え上った。門人達は、誦経の声を少し大きくした。そして、一斉に、焔を見た。

玄白斎が、秘呪を行っている次の間には、家老島津壱岐等の人々が、言葉静かに、お由羅への対策を話していた。それら、斉彬擁護派の人々は