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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁

青空文庫

旧習を墨守せず、よいものは、躊躇することなく取入れておる。だから、日本が、三百年間鎖国していた間に、異国は、遥かに、進歩を遂げてしもうた。それは、お前達にも、よく判っているであろう」

若侍は、一斉に頷いた。

「じゃによって、これからの若者は、一生懸命に勉強して、それを取返さねばならん」

「そうでござります」

一人が、感激した声で云った。

「それを取戻すためには、異国へ行かなくてはならん。行くには、言葉を学ぶ要もある。わしが、行けるものなら、明日にも行きたいが――」

斉彬は、こういって、そのまま黙っていた。

「お供が出来ましたらと、心得ます」

「その中に行ってもらうこともあろう――お前達は、よく判ってくれるが、わからん人達が多い。つまらんことに、青筋を立ててのう」

と、いった時

「名越左源太、御目通りに」

と、襖の外で、取次がいった。

「許す」

若侍は、膝を寄せて、名越の坐るところをこしらえた。襖際で一礼した名越は、人々を、微笑で見廻して

「又、ねだっているの」

斉彬が笑いながら

「例の講釈じゃ」

「少し、お耳に入れたい儀がござりまして、参候仕りました」

「よい話か、珍しい話か」