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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁

青空文庫

庄吉は、職人の止めようと出した手を、身体で掻き分けて

「さあ、殺すか、殺されるか、小僧っ」

南玉が、両手を突き出して

「いけねえ」

と、叫んだ。

「庄っ、待てっ」

小藤次が、周章てて、庄吉の肩を押えた。

「待て、庄公」

同じように、職人が、肩をもった。

「手前なんぞの、青っ臭えのに、骨を折られて、このまま引っ込んじゃ、仲間へ面出しができねえや――若旦那、止めちゃあいけねえ。後生だから――」

庄吉は、乱れた髪、土のついた着物をもがいて、職人の押えている手の中から、小太郎へ飛びかかろうとした。

「無理もない。大工が、手を折られちゃ、俺が舌を抜かれたようなもんだからのう――小旦那、どうして又、手なんぞ、折りなすったのですい」

南玉が、聞いた。小太郎は、微笑しただけであった。

「放せったら、こいつ」

と、庄吉が叫んで、一人の職人へ、泣顔になりながら、怒鳴った。

「だって、お前、お役人でも来たら」

「来たっていいよ。放せったら――」

庄吉は、口惜しさと、小太郎の冷静さに対する怒りから、涙を滲ませるまでに、興奮して来た。二人の職人が、短刀を持っている手を、腕を、押えていた。