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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁

青空文庫

深雪も、笑ったとき

「人間の運というものは、不思議、奇手烈、妙ちきりん、庄公、びっくりするな」

足音は、南玉一人でなかった。

「久しく、吃驚というものを食ったことがねえ。食わせてくれ」

と、庄吉が、怒鳴った時、障子が開いた。南玉の後方に、小太郎が立っていた。

「おおっ」

「何うだ、一番、食っただろう」

そういいながら入って来た南玉の後方を見た深雪が

「ああ」

と、叫んで、膝を立てた。

「あの、辻びらを見た時、こつんと、頭へ来たんだ」

南玉が、喋っているうちに、小太郎は、じろっと、庄吉を見て、深雪の側へ坐った。庄吉は、俯向いて

「お久しゅう」

と、挨拶した。小太郎は、それに答えないで

「あらまし、南玉から聞いた」

「仕損じまして、面目次第も、ござりませぬ」

「深雪、父上のことは存じておろうな」

「はい」

「綱手も、死んだぞ」

「あ――ど、どうして?」

「殺された」

「牧に?」

「いいや」

「誰に?」

小太郎は、答えなかった。

「綱手さんも――へえ――小太郎さん、何うして殺されなすったのでげすな」

南玉が、小太郎の顔を覗き込んだ。

「いろいろ訳があった」

小太郎は、こういって、眼へ、袖を当てた深雪へ