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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁

青空文庫

これから、西郷を訪うて、そうして、上方へ立とう。俺一人が抜けたとて、髪の毛一本抜けた程にも、感じまい」

恭平は、こういって、立上った。

「大久保を斬れ」

と、一人が、叫んだ。

「あいつが、吾々を、動揺させる元兇だ」

「馬鹿っ、動揺する貴様の尻でも、斬っておけ」

と、樺山が、叫んだ。

「何うするんだ。立つのか、立たんのか」

と、一人が、叫んだが、誰も、何んとも云わなかった。恭平が静かに出て行った。

巷騒

「何を、騒いでいるのか?」

と、小太郎が呟いた。深雪は、自分の着物、頭のものなどを、膝の前へ、揃えて

「さあ」

と、表の方を見た。

長屋の人々が、七八人――女も、男も、軒下に立って、不安な顔をし、口早に、喋っていた。

「その黒船って奴は、お前、何んしろ、船の中から、煙を吐くんだそうだ。煙を吐いて走る船なんてものが、あるものけえ。魔物の仕業だわな」

「そいつが、品川へ来るのかえ?」

「来るよ。来たら、何をしゃあがるか判らねえ、何んしろ、ギヤマンで、赤いものを飲んでるって噂だが、こいつは、人の血だねえ。天狗が、人を裂くっていうが、人を裂いて、血を吸うから、だんだん鼻が高くなるんだ。