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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁
(そうせんと、今度は、自分が、殺される)
と、感じていた。
(久光のために、わしの殺されるのはよいが――人を呪った上は、自分も、呪われるものであるが、妾は、子が可愛いばかりでない、お家を大事に思うからこそ、ここまで、大それたことをしてきたのだ)
と、思った。そして、そう思うと、七人もの子を、次々亡くし、その終りには、夫の斉彬さえ亡くしてしまった英姫のことが、思い出されたが、それは
(運の悪い人)
で、お由羅には、見たこともない夫人へ、同情のしようがなかった。
(一度でも、逢うていると、それは、人情として、気の毒にもなるが――)
お由羅は、自分の眼に記憶のない七人の子供の死――それは、自分が、命じて殺したのではあるが、見ていない子供の面影は、他人の話を聞くよりも――遠い昔の、そうした物語の本を読んでいるよりも、心に迫って来るものがなかった。女中が
「お渡りで、ござります」
と、外から、声をかけた。
「今行く」
「あのう、こちらへ、参ると、仰せられてござります」
「ここへかえ」
「はい」
お由羅は、斉興が、なぜ、持仏の間へ来るか、よく判っていた。
(もう、一押ししないと、九仞の功を、何んとかに欠くということになる)