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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁

青空文庫

伊勢は、黙って、俯向いておる、二人の心が、自分の説に同意していないのを、よく知っていた。それで

「久光は、わしの見るところでは――御両所の前ゆえ、忌憚なく申し上げるが、斉彬よりも若い。いろいろと若い。そして、ただ、斉彬の歩んで来た道を、ひたすらに、歩もうとしておるが、斉彬であればこそ、斉興は、己の肚の中では、反対しておっても、表面口には上せなかったが、久光では、遠慮なく、振舞うであろう。例えば、紡績で例をとると、久光は、兄の意思をつづけようとしようし、斉興は、打切ろうとするであろうが、つづけられるものなら、世のために、続けてもいいが、久光では、続けられもせず、棄て去りもせずという、ひどく中途半端なものになる。わしの心配は、ここにある。斉興が、後見として、斉彬の続けたものを、悉く、破壊してしまう。これは、一時は、惜しい。然し、斉彬は、わしに申しておった。軽輩の中から、きっと、その倍も、三倍もの力で、それを、復活させる奴がおるとな。それが、眼に見えておるから、と、いつも申しておったが、斉興が、もし、斉彬の仕事に反対したなら、反対すれば、するだけ、反溌力が、潜勢力が強くなって、蘇ってくる。