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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁

青空文庫

回復してくると、左様な商売人とはいえ、やっぱり、女の羞恥心というものが一番先に目覚めてくるらしい。自分の膝や、裾の乱れたのが急にとりつくろわれて、そうして次には、こんな醜態を演じていた自分というものに愛想をつかす。同情をもって介抱してくれた人の親切というものに、何事を措いても感謝しなければならぬ、という念慮が動いてくるのも自然です。

その自然と雁行して、この芸妓が、この暗いなかで気がついたのは、現に介抱してくれているこの人が、どうも以前に、面馴染のあった人、と思い出してきた瞬間、まだ前髪姿の武家出の少年であるということを知って、中房よりの道中の道連れの、親切か、無情かわからない少年のことでありました。

「もしや、あなた様は」

と言った時、兵馬がすかさず、

「どうだ、わかったか」

「わかりました」

「まあ、お前も無事でよかった」

「無事とおっしゃれば、無事には違いないかも知れませんが、こんな無事ではなんにもなりません」

「仏頂寺、丸山はあれからどうした」

「どうしたかって、それはお話になりません、あなたもお聞きにならない方がようござんしょう」

「うむ、あの両人のことだから」