輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁

青空文庫

と言いながら、兵馬の胸に伏せた面を上げて、まださめきらないほろ酔いの足どり危なく、二足三足歩き出しました。

「歩けるか。では、家まで送って上げよう」

「いいえ、それには及びません、ほかの方ならばとにかく、あなたには中房の道中で、立派に捨てられたんです、これでも、まだ捨てられた人のお情けに縋って、生きようとは思いません」

女はまた二足三足、ふらふらと歩き出す。兵馬は、それを見ていると、女は急にふり返って言う、

「ねえ、あなた」

「何だ」

「一度、わたしを招んで頂戴な、あなたのような薄情な方にも、商売だから、わたし、いくらでも招ばれて上げるわ……」

という途端に、一方に於て意外な物音が起りました。

六十六

それは何者とも知れないが、二人がこうして話している間、つい、後ろの高札場の石垣の蔭に、隠れていた者が一人あったのです。

この隠れていた奴は、どうも、二人か、或いは二人のうちの一人を狙って、危害を加えようとしていたものではなく、むしろ二人のいることを怖れて、早く事件の解決がつけばいい、その解決がついて、二人がここを立退いた後に、自分の身を処決しようがために、息をこらして、ここに潜んでいたものと見えました。