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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
線上閱讀田中 貢太郎《日本怪談大全 第一巻 女怪の館(がまのち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 192,678 字 · 394 頁
河野は驚いた。この人はただの者ではない、若しかすると己の求めておる神仙であるかもわからないと思った。河野はそのまま土の上につくばうようにした。
「何も知らない者でございますから、無礼ばかりいたしました、どうか、その罪をお許しくだされて、道の教をお授けくださいますように」
「その方の志は好くわかっておる、しかし、わしは、今晩のうちに己の住家へ帰らねばならぬ、その方も仙道を修めたいと思うなら、これから、わしといっしょに往こう」
刀を差した男は暗いなかにその光のある両眼を見せていた。
「有難うございます、では、お供を仕ります」
「では、わしに跟いて来るがよかろう」
刀を差した男は走るように歩るきだした。河野は遅れてはならんと思って一生懸命になって跟いて往った。
道は草の峰になり、岩の聳えた渓川の間になり、大木の生い茂った真暗な林になるなど、眼まぐるしく往く道が変化した。寒い風が吹き、雲霧が飛び、星が見えたり隠れたりした。刀を差した男の体は鳥のようであった。河野は何時の間にか人事不省に陥ってしまった。そして、気がついた時には、刀を差した男が後へ廻って背を擦っていた。