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しゅんでい
春泥・三の酉
久保田 万太郎
線上閱讀久保田 万太郎《春泥・三の酉(しゅんでい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 86,075 字 · 173 頁
」
「そ、それァいけない、それァうそだ。」田代は躍起になって「そんなことをいうッて法はない。」
「あるからいうんだ。」三浦はあくまで冷かに「彼奴の役者になったそも/\から俺ァ知っているんだ。――まだ、彼奴が、九州の果から果をうろついている時分から俺ァ知ってるんだ。――大根、大根で、どこでも相手にしなかった役者だ。」
「そんなこといったってそれァいけない。――以前はどうでも――以前はどんなだっても『矢の倉』へ来てからは――『矢の倉』の弟子になって東京にいついてからは……」
「それッていうのが手めえで光ったんじゃァねえ。相手に光らせられたんだ。――無理から相手にそうさせられたんだ。――それには、奴の、これという芸のなかったのが反ってその役に立ったんだ。」
「それにしたって。――それにしたって、しかし……」
「止せよ、みッともねえ。」わらって小倉は立留った。「どッちだっていゝじゃァねえか、そんなこと……」
「あんまり、だって、いくらなんでも僧体なことをいいすぎる。」田代はムキになって「あたしァ好きだったんだ。――あの人があたしァ好きだったんだ。」
「俺だって嫌えじゃァなかった。