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しゅんでい

春泥・三の酉

久保田 万太郎

線上閱讀久保田 万太郎《春泥・三の酉(しゅんでい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 86,075 字 · 173 頁

青空文庫

――どうして?

――どうしてッてわけもないが、感じの上で。……すくなくも、あるいは、ちゃんとした夫婦として、人が彼これ思わないかも知れないナ。

――そうかしら?

――で、どうした、あれから? ……どこへ行った?

――金田へ行って、トリを喰べたわよ。

――それから?

――右とひだりにわかれたわよ、それで……

――よく、承知したナ、男が?

――承知するもしないもないわ。……金田の勘定、あたしが払ったんですもの。

――相手が重役だっていうのに?

――重役だッて、何んだッて、こッちからさそったんじゃァありませんか。

――よく、しかし、だまって払わしたナ?

――それァ、当節の、名刺の肩書だけの重役ですもの、そんなことは平気よ。逆に、女に、立引かした位におもったでしょう。……いゝえね、ほんというと、もう少しどうにかなった男だと思ったのよ、はじめ、電車の中では。……そうしたら、下りたら、早速、マスクでしょう? ……それで、一度にガッカリしたら、金田へ行けば行ったで、金田ッてうちが、どんなうちだかってことも知らない唐変木なんですもの。……うた沢だけ、それも稽古したゞけのことをうたわしてさえ置けば、それでいゝタマだということがハッキリ分ったの。