輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しゅんでい

春泥・三の酉

久保田 万太郎

線上閱讀久保田 万太郎《春泥・三の酉(しゅんでい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 86,075 字 · 173 頁

青空文庫

小倉でも、三浦でも、吾妻でも、いえばそれらの人たちは、みんな好き勝手に役者になり、さんざ旅を叩いたり、自分大将の一座をもって押しまわしたり、切迫つまってはタンカラでも稼いだり、それこそありとあらゆる修行をしたあげく、立寄らば大木のかげ、改めていまの師匠のところへいゝ加減ふみしだいた草鞋をぬいだのだったが、そこへ行くと西巻は、その中の誰よりも年をとりながら、そうした浮世の荒い波風をほとんどかれ自身のうえに知らなかった。――二十一の夏、いまの師匠の手ではじめて役者になって以来、三十年にあまる長い月日を、由良のうちの西巻と、影の形にそうように一日も……というとうそになる、二十五六の時分、たった一度、由良が体をわるくして一しょにその芝居をしていた倭の座を急に途中でぬけたとき、そのまゝ西巻は倭につれられて大阪へ下った。――それからそれ半年ばかり九州路をまわって久々に東京へ帰って来ると、由良は、横浜で無人のさびしい芝居をあけていた。そのあと倭のほうは歌舞伎座で花々しく蓋をあけることになっていたが、西巻はそれを聞くと、片っ方をふり切ってすぐに横浜へ馳けつけた。