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しゅんでい
春泥・三の酉
久保田 万太郎
線上閱讀久保田 万太郎《春泥・三の酉(しゅんでい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 86,075 字 · 173 頁
」
「十五年……」
田代は感心したように首をふった。
「変りました。――実際この世界ばかりは変りました。」
「うたむら」の主人はしずかに銚子を取上げた。
「いま、しかし、芝居の一ばんのお得意さまを花柳界だなんぞといったら……」
「酷い目にあいます。――そんなことをいってるから時勢におくれるんだ。相手にされなくなるんだ。……目の玉のとび出るほど叱られます。」
「そこ。――そこなんで……」
「それについていゝ話。――あなた、遠州屋を御存じでおいでゞしょう?」
「えゝ、あの、清元のお上手な?」
「まァ/\素人にしちゃァ。――あの男、わたくしどもの仲間でも、いまだに五代目ほどの役者はないと思っていたり、空也念仏の連中と附合ったり、芸妓に兄さんといわれて喜んだり、よほどその古風に出来上っております。――震災後、わたくしどもはもう見切をつけて、外の稼業にそろ/\取ッつこうと思案をして居る中で、遠州屋だけは強情に、仮りにも東京に茶屋のある芝居の一けん位ないってことはない、そんなみッともない奴はない……そういってしきりにそっち此方運動をしてあるきました。いゝ加減金もつかった塩梅でした。