輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

わすれえぬひとびと

武蔵野

国木田 独歩

線上閱讀国木田 独歩《武蔵野(わすれえぬひとびと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 94,018 字 · 192 頁

青空文庫

』

『およしよ嘘だよ、ばかばかしい。』女房はしかるように言って、燗徳利をちょっと取って見て、『まだあるくせに。』

『あってもいいよ、二合取って来てくんねエ。明日口がきけねえから。』

『だれにさ、だれに口がきけねえんだよ。ばかばかしい。』

『なるほどうまいことを言うじゃアないか、今日おいらが蔦屋へ行って今朝の一件を話すと、長屋の者が、懐が寒くなるから頭へ逆上せるだッて言やアがる。うまいことを言うじゃアないか。そいでおいらア四合ずつ毎晩逆上薬を飲むが鉄道往生する気になんねえッて言ったら、お神さんにそう言ってもう二合も買ってもらえッてやアがる。』

『大きにお世話だッて言ってやればいいに。』と女房は言って見たが、笑わざるを得なかった、娘も笑った。

『だから二合取って来てくんねえッてんだ。』

『ほんとに今夜はおよしよ、道が悪くってお菊がかあいそうだから。』女房は優しく言った。

『いいよわたし行って来ても。』娘は針を置いた。

主人は最後の酒杯をじっと見ていたが、その目はとろんこになって、身体がふらふらしている。

『やっぱり四合かな。』

三人とも暫時無言。外面はしんとして雨の音さえよくは聞こえぬ。