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めいしんとしゅうきょう
迷信と宗教
井上 円了
線上閱讀井上 円了《迷信と宗教(めいしんとしゅうきょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 151,147 字 · 298 頁
と、ことにさびしそうな夜を選んで、二人ぐらい申し合わせて実地探検に出かける。広い八畳の室にツクネンと待っていると、夜が更けるにつれて陰鬱な気が室内を襲ってくる。どんな剛胆な者でもそぞろに気味悪さを感じていると、やがて風もないのに傍らの襖がバタッと倒れる。すると、縁側の障子が音もせずにまた倒れる。天井でガタガタとものすごい音が聞こえるかと思うと、やがてなにかしら気味の悪いものが、ポタリポタリと天井から垂れる。見れば生々しい血潮がベッタリ、畳の上を彩っているというありさま。(以下これを略す)
妖怪屋敷の一例は右ようのものである。その原因は種々あって一言にて尽くし難きも、第一に家屋の構造が悪く、光線、空気の流通も悪く、あるいは湿地にて、衛生に害ある場所が原因の一つとなっている。また、その家にひとたび変死したものがあると、ただちに化け物が出る、幽霊があらわれるとの評判が起こり、疑心暗鬼を生ずるわけにて、いろいろの幻覚、妄想を浮かべるようになる。しかるに、これを狐狸、天狗、亡霊、怨鬼の所為と思うは迷信である。
余は地方巡講中、数回妖怪屋敷に宿泊したことがある。