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めいしんとしゅうきょう

迷信と宗教

井上 円了

線上閱讀井上 円了《迷信と宗教(めいしんとしゅうきょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 151,147 字 · 298 頁

青空文庫

しかして、これらを崇拝信念するのは、全く現世目前の福利を得んとする欲望にほかならぬ。

本島人の死後についての観念はやはり霊魂不滅説にして、その魂に三個ありと申しておる。その第一魂は幽界に入り、第二は墓下にとどまり、第三は家中に住するものと信じ、幽界の魂は僧侶をして慰めさせ、墓下と家中の魂は子孫がこれを慰むべきものと定めてある。しかし、彼らの神仏崇拝は、全く一身一家の冥福にあらずして現福を祈るのである。

神仏に祈願するときには、竹紙を焼くことが盛んに行われておる。竹紙とは、名のごとく竹にて製したる黄色の紙にして、これに金を塗りつけたるものと銀を塗りつけたるものとがある。しかして、手軽の祈願には銀紙を焼き、重大の祈願には金紙を焼くことになっておる。これを焼くとその金銀が神仏の方へ届くから、こちらの祈願をかなわせていただけると信じておる。すなわち、天国へ贈る郵税為替に当たるわけで、すこぶるおもしろい考えである。この金紙、銀紙はみな南清より輸入するそうだが、その年額五十万円以上に達すとは驚かざるを得ない。

彼らの迷信を利用し、これによりて生活しておるものがまたたくさんおる。