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めいしんとしゅうきょう
迷信と宗教
井上 円了
線上閱讀井上 円了《迷信と宗教(めいしんとしゅうきょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 151,147 字 · 298 頁
しかるを情感論者は、単に情感のみによりて解釈を施さんと試み、自己の妄想、幻視までも実在のごとくに思惟し、幽霊なども形あり、色あり、重量ありとなすに至る。これ畢竟、いまだ有形、無形の区別を明らかにせざるより起こるところの謬見なり。思うに有形とは、わが五官に感触するところのものにして、五官に感触せざる、これ無形なり。しかるに、死後の世界すなわち未来世界の類は、わが精神が肉体を離れたるときの世界なり。すでに肉体を離れたる世界にして、五官の感触すべき世界と異なるがゆえに、これを無形世界あるいは精神世界というなり。しからば、この世界において、たとい形象を見ることありとするも、そは決して現在世界において、わが現感覚の覚知するところとは、もとより同一なりとなすべからず。例えば、吾人は夢中にありて、種々の形象を見ることありといえども、そは必ず吾人醒覚の場合において見るところの形象とは等しからずして、心面の精神性現象、もしくは観念性形象とも名づくべきものなり。ゆえに、これを無形上の現象とす。しかして、この無形世界に入るところの精神は、果たして一個人の性質をそなうるものなるやいなやは、哲学上の一問題なれば、後に至りて説明すべし。