Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Read 三国志(一) (さんごくし) by 吉川 英治 (よしかわえいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 309,839 characters · 622 screens
許※(「ころもへん+睹のつくり」、第3水準1-91-82)は、歯がみをして彼の前へ前へと、しつこくつけ廻った。そして戟を合わせたが、勝負はつかない。
そこへ、悪来典韋が、
「助太刀」と、喚きかかったが、この両雄が、挟撃しても、呂布の戟にはなお余裕があった。
折からまた、夏侯惇その他、曹操幕下の勇将が六人もここへ集まった。――今こそ呂布を遁すなとばかりにである。――呂布は、危険を悟ったか、さっと一角を蹴破るや否や、赤兎馬に鞭をくれて逃げてしまった。
わが城門の下まで引揚げて来た。だが、呂布はあッと駒を締めて立ちすくんだ。こは抑いかに? ――と眼をみはった。
城門の吊橋がはね上げてあるではないか。何者が命令したのか。彼は、怒りながら、大声で、濠の向うへどなった。
「門を開けろ。――橋を下ろせ! ばかっ」
すると、城壁の上に、小兵な男が、ひょッこり現れた。かつては呂布のために、曹操の陣へ、反間の偽書を送って、曹軍に致命的な損害を与えた土地の富豪の田氏であった。
「いけませんよ。呂大将」
田氏は歯をむいて城壁の上から嘲笑を返した。
「きのうの味方もきょうの敵ですからね。