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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Read 南国太平記 (なんごくたいへいき) by 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 493,291 characters · 991 screens

Aozora Bunko

「春まで、待てませぬな」

「うむ」

「明日にも、手筈通り、取りかかりますか」

人々も、赤山も、頷いた。そして、又、暫く、一座は、黙って考え込んでいた。

「牧は、討てぬか、未だ」

「仙波の倅が、しきりに探しおりますが」

「倅の外に、誰が、討取りに――」

「益満など、とんと、冷淡になりましたとの噂でござりまする」

「益休が?」

「玄白斎の弟子など、何を致しているのか、牧一人ぐらいを討つに――」

「行方が判りませぬとのことにて――」

「江戸の奴等は、腑甲斐がない。奸党討伐は、吾々にて致そう」

と、高崎がいった。

「将曹、平、仲等が、殿と共に、帰国中を幸い、お由羅と共に、一挙に討取ろう。そして、久光公へは、誰かが参って、事の次第を、よく申し上げた上にて、お首を頂戴しよう。もう、一時たりとも、猶予ならん」

「そうじゃ、奸者共も、薄々と、吾等の企てを存じておる上は、何をしでかすか計られんから、手筈通りに、豊後の邸は、大砲にて、打っ払い、将曹の邸は、取巻いて、鏖殺してくれよう。高木市助が、参っておろうが、此奴に、すぐ、大砲の引出し方を命じて、肱岡に、吉井、土持、山内等が将曹へかかる」