Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Read 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 146,725 characters · 298 screens
七
奉公人が十両の大金を持っていて、不思議か不思議でないか。お白洲で言い開きをするがいい」
「親分、そいつは無理だ。昨夜主人を殺して盗った金が、そんな埃だらけな紙の中に貼り込んであるはずはねえ、――そいつは糊がよく乾いているはずだ」
藤助は思いの外筋の立ったことを言いますが、平次は取り合う色もなく、
「八、その野郎を番所へ引っ立てて行くがいい、逃がしちゃならねえよ。それから、後で少し働いて貰いたいことがある、屋根の上の矢を抜いて貰いてえのだ、――小判は俺が預かって行くよ、藤助」
平次は残るところなく手配して、笹野新三郎と一緒に引揚げました。
七
「旦那、大変なことになりました」
「何だ、平次、大層脅かすじゃないか」
翌る日の朝、銭形平次を迎えた笹野新三郎は、好奇心と職業意識でハチ切れそうでした。
「何から申しましょう、――まず、あの下男の藤助の匿していた小判十枚は、みんな真物の未刻印小判に、素人が偽物の刻印をタガネで打った物でございますよ」
「それは大変だ」
未刻印小判に、偽刻印を打つというのは、偽金を造ると同じことで、これは磔刑ものです。
「それから、もう一つ、あの藤助という野郎は、下谷二長町の鋳掛屋の倅ですよ」