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Japanische Klassiker mit Furigana

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しげき「すいせんともくぎょ」

三好十郎の仕事 別巻

三好 十郎

Lesen Sie 三好十郎の仕事 別巻 (しげき「すいせんともくぎょ」) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.145 Zeichen · 440 Bildschirme

Aozora Bunko

はげしくなった空襲に耐えきれず

遠い田舎に疎開していて、

一人きりのガランと何もないアパートの部屋に

泥のようにコンコンと私は眠った

病気ではない、ただの疲れでもない

だけど、どんな病気よりも、どんな疲れよりも重くのしかかって来る

ものに押しつぶされ

半月ばかりして起き出してからも

私の頭はなんにも考えられなかった

しばらくすると貯金がなくなる

持ち物を次ぎ次ぎと売っては食って、

今はもう着ている物以外に何一つ残らぬ

食う物がなくなれば水だけで三日位は動かずにいる

それでも、どうしようと言う気は起きない

国の母には既に金はなく

しばらく前から私の方から暮しの金を送ってやっていた

今は病気で寝ていると言う

これを考えても、どうにかしなければならぬとも思わない

部屋代を払わないので、アパートからは矢のように追い立てを食っている。

それでも私の日々はウツラウツラと

ただ白い紙のように過ぎた。

だから、戦争が終って三月たった秋の末に

私が山田先生の内を訪ねて行ったのにも

かくべつの目的が有るわけではなかった

ヌケガラのようになった自分のからだを

なんとなく、そこへ運んで行って見たと言うだけ。

山田家の空気は以前とチットも変らない