Japanische Klassiker mit Furigana
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しげき「すいせんともくぎょ」
三好十郎の仕事 別巻
三好 十郎
Lesen Sie 三好十郎の仕事 別巻 (しげき「すいせんともくぎょ」) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.145 Zeichen · 440 Bildschirme
樹氷
第1回
第1回
作者
馭者
春子
勝介
壮六
(音楽)
音楽しばらく続いて、その間にアナウンス。
アナウンスやんで間もなく音楽やむ。
作者 私は三好十郎でございます。私は以前から長野県――信州の山岳地帯が非常に好きで、戦争前などは殆ど毎夏出かけましたが、殊に好きなのは八ヶ岳の裾の高原地帯で。ちょうどそれは太平洋戦争がはじまる一年前の夏のことで、やはり一人で出かけて、高原深くわけ入り、その方面でいえば、八ヶ岳の麓の人里では一番奥の、最後の部落にあたる落窪という村の旅人宿とはいっても、部屋の数四つばかりのごくさびれた内に二カ月ばかりいました。ある日のこと、午前中の仕事を終えていつものとおり、山歩きに宿を出たのですが、部落をぬけて深い谷川にかけた橋を渡ってしばらく行くと、農民道場があって、そこに各地からやって来て訓練を受けている青年達の明るい歌ごえが流れてきます。(二部合唱のうたを入れる)……それを背中に聞きながら私はやがて非常に深い原生林とカラ松と入れ交った森の中にわけ入って行きました。農民道場の歌声は次第に遠ざかり、夏だというのに蝉の声も聞えず、高原特有の肌にしみいるような静けさの中を森の小道をアテもなくスタスタと歩いて行きました。