Japanische Klassiker mit Furigana
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しげき「すいせんともくぎょ」
三好十郎の仕事 別巻
三好 十郎
Lesen Sie 三好十郎の仕事 別巻 (しげき「すいせんともくぎょ」) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.145 Zeichen · 440 Bildschirme
第16回
敏子
杉夫
木戸
男の声
音楽
敦子 (語り、中年過ぎの)はあ、その時のことは、春さんと金吾さんからずっと後になって聞いたんですの。私が県道の傍で金太郎ちゃんやお仙ちゃんなどと歌っている間に、その奥の崖の上で、金吾さんと春さんが、もうちょっとのところで、崖から飛び下りて死ぬところだったのです。つまり、年のいった金吾さんと春さんが、まあ、心中するところだったわけですねえ。
……まるで小さい子供のようになってしまった春さんの頭が、なんと思ったのでしょうか、急に若い時分から私がホントに好きだったのは、金吾さん、あなただった、と言ったそうです。そして、私という女は自分のホントに好きな人のところへは、生きてる間は行けない、だからここで一緒に死のうと言ったそうです。そいで金吾さんもフラフラッとその気になったそうですの。
そいでも二人が死ぬと、敏ちゃんや私や、そいからお豊さんや壮六さんが悲しがるから死んではいけない、と金吾さんがそう言うと、春さん一とき考えていたそうですけどね。そこへトラクターの音が、まるで機関銃のようにひびいてきて、そいで春さん、ホントに恐がって、戦争がくる、戦争がくると言って、また崖からとび下りようとしたそうですけどね、その音をきいてこらえている間に、谷底へとび下りるキッカケをなくして、死なないですんだ