Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme

Aozora Bunko

「まだお前、引込む時間ではないのだろう」

「いけねえ」

印度人は、お君の傍へ倒れるように坐って首を振りました。

「どうしたんですよ」

お君は胡弓をさしおいて心配そう。

「ばれちゃった、ばれちゃった」

「まあ」

お君も安からぬ色。

「誰か、お前が印度人でないと言う人があったの」

「うん」

「じゃあ何かい、お前が、宇治山田の友さんのお化けだということを、誰か見物が言ったの」

「そうは言わねえけれど、知っている人に見つかっちゃった」

「知ってる人? それは誰」

「それは、俺らが世話になったお医者さんだ」

「お医者さん? 伊勢のお医者さんかえ」

「いいや、いつかもお前に話したろう、俺らが隠ヶ岡で突き落されて、一ぺん死んだやつを生かしてくれたお医者さんだ」

「それでは、あの下谷の長者町にいらっしゃるという先生かい」

「そうだ、その道庵先生が見物に来ているのだよ」

「まあ、そりゃ驚いたね。それだってお前、なにも心配することはありゃしないよ、お前の方では道庵先生だとわかっても、先生の方ではお前が友さんだとわかる気遣いはないからね。傍にいるわたしだって、そう言われなければわからないのだから、心配しなくてもいいじゃないか」