Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
十一
一度ぐらいわたしのところへ便りをしてくれてもよかりそうなもの」
「そのつもりでおりましても、つい、いろいろの目に遭ったものでございますから」
「こっちへ来てそんなに御奉公するまでに、なぜわたしを訪ねてくれなかったの」
「まだこっちへ参りまして僅かでございますから、ツイ御無沙汰を」
お松は畳みかけて叱られるのを苦しい受太刀をしていたが、お絹はあんまり深く追及しないで、
「過ぎ去ったことは仕方がないから、これから心を入れかえて下さい。今お前をつれて来た人なんぞも、どうやら性質のよい人ではない様子、引受けたのが当家の道庵さんや、わたしたちだからよかったけれど、一つ間違えば、お前の身は台なし。ほんとうに危ないところ」
お絹は自分の子を危ないところから助け出したような言葉で言っていますが、これはまるきり作り言ではなく、多少の親身が籠っているようです。
十一
こうして道庵の手からお松は再びお絹の許へうつることになりました。お絹は以前のことを一通り叱言を言ってみたりしたけれど、お松の詫び方があまり神妙でしたからお絹も和いで、
「お前がそういう気になってくれれば、わたしだって昔のことなんぞを繰返すのではありません」