Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
十五
「うむ、俺らには全く罪がねえんだ、盗人はほかにあるんだ」
「そうでしょうとも、お前さんは盗人なんぞをなさるような方ではない」
七兵衛の信用を得て、米友はやや安んじた形でありました。
「俺らもあれから、ずいぶん運が悪くなり通しでね、なかなか苦労をしたよ」
「そりゃお気の毒でしたねえ」
「あっちへ行ってもこっちへ行ってもばかにされるんで、やりきれねえ」
今までの突慳貪に引換えて訴えるような声で言い出したから、七兵衛もおかしくもあり、かわいそうにもなりました。
「私もお前さんの噂を聞いて、ほんとにお気の毒でたまらないから、どこかで逢ったら、いろいろお話をして上げようと思っていたところでした、今日はまあ、いいところで会いました」
七兵衛と米友とは、どっちが先ということなしに両国橋を、本所の方へ向いて渡りながら身の上話。
十五
七兵衛に焚きつけられたお角は、案の如く口惜しがってしまいました。百蔵はこのごろ、さる後家さんのところへ出入りするようになって、その後家さんが近いうち甲州へ出かけるに就いて、百蔵もその跡を追って甲州へ行くから気をつけなければならないと、七兵衛はお角を嗾しかけました。