Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
十
「ナニ、嘘をつくものか、おかみさんなんぞはありゃしねえ」
「それがやっぱり嘘でございますよ」
「それじゃなにか、俺におかみさんがあるというのかね」
「ありますとも、大ありです」
「こいつは聞き物だね。無いものでも有ると言われりゃ悪い気持はしねえが、お前からそう言われると、どうやら痛くねえ腹を探られるようだ」
「申しわけをするだけ弱味があるんですね、隠したって駄目ですよ」
「驚いたね、ああして、男世帯の銀床に無えものは女っ気と亭主の片腕だと、町内でこんな評判を立てられているところへ、お前だけが俺に濡衣を着せようというものだ」
「そりゃいけません、ここの家に女っ気が有るか無いかということは、一目見れば直ぐにわかりますよ、女は細かいところへ気がつきますからね」
「それでは、俺の家に女がいるというのかね」
「そうですとも」
こんなことから痴話が嵩じてゆきました。
十
その時分、根岸に住んでいたお絹が、今日は小女を連れて、どこの奥様かという風をして、山下を歩いて帰ります。
雁鍋の前へ来た時に、見たような人がその店から出かけたのに気がつきました。
男と女と二人で微酔機嫌で店を出かけたうちの男の方が、東海道下りから甲州入りまで附纏って来たがんりきの百蔵に相違ないから、お絹は自分の面を隠そうとしました。