Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
百蔵はわざとらしく首を振ります。
「そんなに、わたしという者に信用が置けないの」
「お前に預けて売物にでもされた日には、せっかくの生娘が台無しだ」
「わたしはまた、お前さんが預かって食物にしやしないかと、それが心配だ」
「預かり物を食う奴があるものか」
「どうだかわかりゃしない、猫に鰹節を預けたようなものだから」
「第一、おれに食われるような娘じゃねえ、お邸奉公を勤めていた娘で、堅いことこの上なしだ、友達の義理で退引ならず預かってはみたものの、おれも実は心配なのだ」
「預けた方も心配でしょう」
「心配というのはそんなことじゃねえが、いつまでも俺のところへ置けねえわけがあるのだから、それで今日、よそへ預け換える約束をしてしまったのだ」
「どこへ預けようと言うの」
「どこでもいいじゃねえか」
「それを言わないと放さない」
人目の薄いのをいいことにして、二人は肩と肩とを突き合せて、こんなことを話しながら行くのを、お絹はみんな聞いてしまって、この男も女も憎らしくなりました。よし、どこへ行くか、行く先を突きとめてやろうという気になりました。
「詰らなく嫉かれるのも嫌だから言ってしまおう、長者町の道庵という剽軽なお医者さんへ預けることにしてしまったんだ」