Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
「いくら淋しい根岸でも近所がありますから、あたりまえの声で話をして下さいよ。お前さんは何も知らずに山下の床屋から尋ねておいでなすったようだが、あの床屋というのはいったい、この娘の何に当るのですね。親許から迎えに迎えにとおっしゃるが、その親許というのはどんな人なんだか、それがお聞き申したいね」
「その親許というのは銀床の亭主の友達なんですよ、その人がいま銀床に来ているんだから、それより確かなことはございますまいよ」
「銀床の御亭主というのは、どんな人だかお前さんは御承知ですか」
「そりゃ銀さんといって、片腕がないけれど、腕がいいのであの辺で評判ですね」
「その銀さんとやらが、どうして片腕が無いんだか知っていますか」
「大きにお世話さまですね、片腕があろうとあるまいと、好い人は好い人なんですからね」
「ところが、あんまり好くない人なんですよ。なるほどお前さんには片腕のないところがいいかも知れないが、あんな物騒な人に娘盛りの子を預けてはおけません」
「何が物騒なんでしょう、人には親切で、銭金の切れっばなれはよし、男っぷりだって、まんざらじゃありませんからね。若いとき喧嘩をして、腕に怪我をしてから切り落すようになったんだから、軍人の向う傷と同じで、男にとっては名聞なくらいなものですよ、わたしはあの片腕が大好きなのさ」